ピリカ・アフリカ・ブリタニカ?英国留学珍遊記

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zoom RSS 「はやぶさ 遥かなる帰還」を見た

<<   作成日時 : 2012/02/15 01:31   >>

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今日はバレンタインなので?映画を見ることにした。そこで訪れたのは渋谷(武蔵小杉から15分で行けるから)。最初の予定は、NHKスタッフや日本を代表する著名な動物カメラマンが撮影した映像を集めた日本初の野生動物映画「いきものたちの物語」だったのだけど、チケット店大黒屋で1000円の割引チケットが売っていたこともあって、方針変更し、11日に公開されたばかりの映画「はやぶさー遥かなる帰還ー」を見てきた。


はやぶさ。あのはやぶさ。2010年6月に7年ぶりに地球に帰着し(厳密に言うと、大気圏で燃え尽きたけれど)大フィーバーを起こした、あのハヤブサ。実は、筆者、はやぶさが大好きなのでした。きっかけは2年前の8月に、府中のプラネタリウムで見たハヤブサのドキュメンタリー映画でした。はやぶさを擬人化して、苦難に満ちた7年の道のりを描いた内容だった。プラネタリウムの全天を見上げながら、展開されたその映像は、ある種哲学的な深さをたたえたもので、鑑賞後、孤独な宇宙を旅してきたハヤブサに感情移入してしまい、涙してしまった。

なので、今回のはやぶさ映画にも、注目していないわけではなかったけれど、心中ちょっと複雑なところもあった。すでに2年前に見たプラネタリウム映画で大体の内容は分かっているし、そして、深い感動を覚えた。いまさら、またはやぶさ映画を見て、後味を濁したくないというか。

とはいえ、やはり、見てみないことには分からない。それにキャストに江口洋介が入っているのもちょっと魅かれた。「ひとつ屋根の下」のあんちゃんに始まり、「白い巨塔」「闇の子供たち」など、映像作品で見る江口洋介は、男気のある役柄が多く、なんか見ていると、肩入れしたくなるキャラが多い。そんなこともあって、江口洋介がどんな役をするのか見届けたい気持ちも(ファンみたいだ・・・)あり、あまり乗り気でなさそうな相棒を無理やり誘って、映画館へ。

場所は渋谷のToeiシネマ。なんか昔ながらの劇場で、シネコンを見慣れた目にはむしろ新鮮だった。小学生のときに大長編ドラえもんを見に行ったような映画館という雰囲気だ。平日の午後なので、来ている人は、じいちゃんばあちゃんが圧倒的に多い。そして映画は始まった。

映画の内容は、一言でいえば、「予想通り」。多くの人が既に知っているハヤブサのエピソードが時間軸に沿って、展開されていく、といえば大体の人が内容を想像できるのでないか。イオンエンジンが故障したり、イトカワへの着陸に苦労したり、その後音信不通になったり、最後に窮地に陥ったはやぶさを奇策で立ち直らせたり、まさに逆境の連続を綱渡りのように奇跡的に乗り越えて、満身創痍になりながらも、みんなが待つ地球まで帰り着く。

そういった意味で、特に驚きのない、予定調和の物語なのではあるけれど、それでもやっぱり、最後までドキドキしながら見てしまう。いや映画自体は、やっぱりそれほど劇的な盛り上がりがあるわけでなく、どちらかといえば淡々と進む。渡辺謙が出ているからといって、ラストサムライのような鬼神のような激情がほとばしるわけでもない。実に地味だ。そこはノンフィクション的な物語として、演出に抑制を利かせた部分かもしれない。しかし、3億キロの彼方まで地球を離れ、遥かなる孤独な旅路を成し遂げたハヤブサのことを思うだけで、もはや自分は物語に呑み込まれてしまう。確かに映画は作り物でしかないけれど、その背後には、実際にそれを成し遂げた人がいる。確かにはやぶさはイトカワまで辿り着き、アポロ13号もビックリの危機を乗り越えて、奇跡的に、ふるさと地球まで戻ってきたのだ。そこにはさまざまな形でハヤブサを支えた、科学者たちの群像がある。この映画を通して、そういった人々の姿を想起するだけで、深いものを感じる。

最後、長く孤独な旅を終えて、地球に帰り着かんとする、はやぶさが大気圏に突入し、燃え尽きるシーンでは、それがCGと分かっていても、命を持たないただの機械だと分かっていても、涙が出そうになった。2010年の6月、オーストリアでそのシーンを網膜に焼き付けた人は幸福だなと思った。こんな壮大な旅にかかわって、missionを成し遂げた科学者は心の底からかっこいい、と思う。

最近、よく見ている「運命の人」でも思うけれど、こういった圧倒的な現実が下敷きにある物語は、やっぱり作り物の映画やドラマでなく、リアルなノンフィクションやドキュメンタリーでみたいな、というのが正直なところ。いくらうまくつくっていても、いくら感動的な内容に仕上がっていても、自分が求めるのはそのリアルな触感。それはやはり渡辺謙や江口洋介の物語でなく、川口さんや数多の科学者、技術者の物語であるのだと思う。

なので、映画を見終わると、すぐにはやぶさのドキュメンタリーかノンフィクションが読みたくなった。現実はどうだったのかと確かめたくなった。そしてオーストラリアに行きたくなった。あの赤茶けた大地。マラウイに初めて降り立ったときを思い出した。

映画として、見るべきか否か、と問われると、難しいところではある。見終わって、新しい発見というのはない。江口洋介と吉岡秀隆の激しい口論以上の見所はないかもしれない。それでも、はやぶさにかけた日本人科学者の情熱と粘り強さは、いつまでも語り継がれるべきことだと思う。その意味で、こういった映画が、はやぶさの偉業を語り継ぐ、端緒になることは、意味があるだろう。自分は見て良かった。ただ、プラネタリウムではやぶさの一人称としての物語を見た立場としては、あくまで、はやぶさを題材にした科学者の物語であるこの映画は、インパクトとしては弱かった。そう、そうなのでした。自分が感情移入したのは、はやぶさ、なのであって、科学者ではなかった。だから科学者の人がこの映画をみたら、もっと熱いものを感じるかもしれないけれど、自分としては、はやぶさの人格を感じることがないこの映画は、ちょっとドライにも感じる。ただ、映画の最後に、はやぶさが最後に見た地球の写真が出てくるところがあるけれど、あれには心動かされた。はやぶさのヒトミに写った母なる星、地球。はやぶさに人格があるとしたら、どんな気持ちで7年ぶりに帰ってきた地球を見つめ、最後、宇宙の藻屑となって消えていったのだろうか。漆黒の宇宙を孤独に彷徨い、最後までやりきったはやぶさに、「おつかれさん」とねぎらいの声をかけてあげたい。そんな気持ちになる最後でした。


いや、やっぱり、映画としての訴求力などはともかく、はやぶさのことよく知らないなら、日本人として一度は見てもいい映画かもしれない。何度も何度も転びつつ、リタイヤしそうになりながらも、歯を食いしばり、最後まであきらめずに、たすきをつないで、走りきった箱根駅伝の走者のような、はやぶさの軌跡。何度見ても、そのたび、さまざまな思いが去来する。食傷気味かもしれないけれど、今はもうちょっとこの甘美な達成感を楽しみたい。
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